top of page

ユグドラ・デバッグ! -蟲と樹械と花時計の町-

 

 かつて時代を築いた「樹械」建築は、定期的に湧く「蟲」の対処をしなければならないことから廃れつつあった。
 ナナギリは樹械図書館に住み着く学者である。「蟲払い」の技術を磨きながら人里離れた生活をする女の元にある日やってきたのは、ヨツユと名乗る14歳の少年だった。
「町を去るじいちゃんのために、あの花時計をもう一度だけ鳴らしたいんだ!」
 かくして少年の願いのため、そして自らの逃避のため、ナナギリはヨツユの師匠となることに。風と樹械が煙る町、不器用で愛しい人たちの物語が始まる。

bottom of page